クロナマコの特徴や飼育方法とは?

ナマコの特徴
動物界棘皮動物門ナマコ綱手目クロナマコ科。日本や海外の海岸沿いで浅瀬の砂浜にたくさん見かけるナマコのことです。
一般的にクロナマコと呼ばれています。
このクロナマコの特徴としては、名前に恥じないほど全身が黒色で、体の表面から分泌される粘液で部分的に砂をかぶる習性があります。
エサは海底に降り積もった有機物(動物性プランクトンの死骸等)であり、触手で集めて食べます。水中に触手を広げて有機物を集めるナマコもいるようですが、クロナマコでは、海底で砂ごと食べて、有機物を取り除いて綺麗な砂だけを排出します。水中のろ過を行ってくれるためペットとして飼うアクアリストが多いようです。
ナマコは、体が細長く口が水平に向くなどの特徴があります。世界にナマコの種類は1,500種、日本にはそのうち200種が生息しているといわれています。食用としては大体30種類くらいで寿命は5-10年と短めです。
軟体動物であるナマコにも骨はあり、発達が悪いため細かな骨片として体壁に散らばっています。また、外観から見分けはつきませんがオスとメスという性別はしっかりとあります。
分布として、川や陸には一切存在せず、海にしか存在しない。海の中では浅瀬から深海にまで分布している。
海底を這っている種だけでなく、ユメナマコなどの種類は浮遊するナマコとして知られている。
不活性な動物のため外敵に襲われることがよくあります。その際身を守る手段として、内臓を放出することがあります。内臓を食べさせている間に逃げるという行動です。
熱帯性のナマコが警戒しキュビエ器官という白い糸状の組織を肛門から吐出させることもあります。このキュビエ器官はねばねばとしており、敵の動きを封じることができます。そのためキュビエ器官を吐出することにより敵からさらに逃げやすくなります。
敵に襲われるたびに内臓を吐出させるため、ナマコは再生力がとても強いです。だいたい1-3か月で内臓が完全に再生されます。
クロナマコとマナマコ
クロナマコはマナマコの一種で黒色のものを読んでいます。マナマコ自体の色には赤、青緑、黒、白があります。
赤色のマナマコは、アカナマコやアカコなどと呼ばれ、青緑色のものはアオナマコやアオコと呼ばれ、黒色のものはクロナマコやクロコと呼ばれます。白色はアルビノ種だと考えられています。
赤・青・黒は色が違うだけではなく、骨格や遺伝子構造自体が違い同じ種類ではありません。しかし、もともと同じ種類のナマコが変異したものだとされているため見た目や生態がよく似ているといわれています。
青と黒は内湾性の砂泥底に棲むと言われ、赤は外洋性の岩礁や磯帯に棲むと言われています。
生殖期もそれぞれの色や地域によってバラバラであるが、どの地域においても赤色の種類が黒や青の種類よりも産卵期が早く期間が短いと報告されています。
このマナマコは体重の90%が水分であるものの、食用や漢方薬として多く利用されており、赤色は値段が高く青色の2-5倍の値段で取引されています。
【マナマコの栄養価】
マナマコ(生)
100 gあたりの栄養価 | |
---|---|
エネルギー | 96 kJ (23 kcal) |
炭水化物 | 0.5 g |
糖類 | 0 g |
食物繊維 | 0 g |
脂肪 | 0.3 g |
飽和脂肪酸 | 40 mg |
トランス脂肪酸 | 0 g |
一価不飽和 | 40 mg |
多価不飽和 n-3n-6 | 50 mg 30 mg20 mg |
タンパク質 | 4.6 g |
トリプトファン | 34 mg |
トレオニン | 210 mg |
イソロイシン | 140 mg |
ロイシン | 190 mg |
リシン | 140 mg |
メチオニン | 60 mg |
シスチン | 50 mg |
フェニルアラニン | 120 mg |
チロシン | 100 mg |
バリン | 170 mg |
アルギニン | 320 mg |
ヒスチジン | 48 mg |
アラニン | 290 mg |
アスパラギン酸 | 430 mg |
グルタミン酸 | 600 mg |
グリシン | 690 mg |
プロリン | 340 mg |
セリン | 190 mg |
ビタミン | |
ビタミンA相当量 β-カロテンルテインと ゼアキサンチン | (0%)0 μg (0%)0 μg0 μg |
チアミン (B1) | (4%)0.05 mg |
リボフラビン (B2) | (2%)0.02 mg |
ナイアシン (B3) | (1%)0.1 mg |
パントテン酸 (B5) | (14%)0.71 mg |
ビタミンB6 | (3%)0.04 mg |
葉酸 (B9) | (1%)4 μg |
ビタミンB12 | (96%)2.3 μg |
コリン | (0%)0 mg |
ビタミンC | (0%)0 mg |
ビタミンD | (0%)0 IU |
ビタミンE | (3%)0.4 mg |
ビタミンK | (0%)0 μg |
ミネラル | |
カリウム | (1%)25 mg |
カルシウム | (57%)572 mg |
マグネシウム | (6%)22 mg |
リン | (35%)244 mg |
鉄分 | (1%)0.1 mg |
亜鉛 | (568%)54 mg |
マンガン | (10%)0.2 mg |
セレン | (0%)0 μg |
他の成分 | |
水分 | 92.2 g |
コレステロール | 1.0 mg |
単位μg = マイクログラム • mg = ミリグラムIU = 国際単位 | |
%はアメリカ合衆国における 成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。 |
クロナマコの基本データ
飼育難易度 | 簡単 |
餌 | 他の生物と一緒に飼っていればナマコ用に与える必要はありません。ナマコのみでも水中にプラントンが生息できればそれらを食します。 |
環境 | 水質を維持し、岩や海藻、砂を設置してあげてください。 |
増え方 | ナマコは2000万個程度の卵を産み、対外受精で子孫を増やしていく生き物です。 |
温度 | 8-10℃で活動が最盛になります。25度以上になると夏眠期に入ってしまうと言われており、活動量が減少するはずです。 |
水換え | 他の生物に合わせて交換してあげてください。 |
体長 | 数十センチまで成長する種類もいます。 |
寿命 | 5年~10年ほど生きます。 |