アフリカツメガエルの特徴・飼育方法について

アフリカツメガエルの特徴

アフリカツメガエルは、無尾目ピパ科ツメガエル属に分類されるカエルで単純にツメガエルと呼ばれることもあるようです。成体は水かきが発達しており、後肢の3/5の指のうち3本に爪状の角質層が発達しており、ツメガエルの名前の由来となっています。
アフリカツメガエルは、丈夫で飼育・繁殖が容易なこともあり実験動物として多くの研究者に活用されています。

原産地は、南アフリカやザンビア、モザンビークなどのアフリカ南西部。食性は、雑食性で水中の無脊椎動物や小型の魚類やその死骸、海藻など何でも口にする。

1900年代に日本に輸入されてから実験動物として広く愛されている。飼育には23度程度の淡水を用いること、半陸生ではなく完全水生であること、高密度生育に耐えることなどから飼育はしやすい生き物です。

アフリカツメガエルの受精卵は4日程で孵化し幼生になる。幼生は、人間の離乳食や金魚のエサなどを水で薄めて与えることで給餌ができます。
また、研究用に仕入れた個体のほとんどがカエルツボカビに感染しているため、飼育水は消毒処理を経た上で排水してください。

実験動物として用いられる理由

アフリカツメガエルは、繁殖・生育・扱いやすさなどから実験動物として本日まで愛されてきています。
アフリカツメガエルの卵は、他の脊椎動物の卵と比較するとサイズが大きく顕微鏡に不慣れな人間でも観察がしやすく、受精から4日で幼生となる生育の速さもあり実験発生学や変態動物の材料として用いられている。
観察がしやすいというメリットに反し通常のカエルは、産卵は年に1回であったり、成体の飼育が難しいというデメリットもあります。しかし、アフリカツメガエルはホルモン注射を行うことによって、年中採卵することができ、生餌も必要としない飼育の容易さがあり観察動物の確保も容易にできます。
そのため、アフリカツメガエルが次第に研究用動物の代表格として使用されるようになった。アフリカツメガエルを使用した研究では、体軸形成、四肢形成、変態、初期発生、減数分裂(卵成熟)など、発生生物学における様々な課題の研究に用いられている。未受精卵から調製される卵抽出液は、細胞周期の進行、ゲノムDNAの複製と分配の分子メカニズム理解に大きく貢献した。
研究動物として、ペットとして、生餌として多く輸入されており、その分自然環境に捨てられるカエルも増えていき、現在では日本国内で要注意外来生物に指定されるまでになりました。

基本情報

【アフリカツメガエル生育データ】

飼育難易度簡単
生餌は不要。嗅覚で動物質の飼料を生死に拘らず摂食します。餌は与えれば与えるだけ食べます。金魚の餌などを与えてください。餌は1ヵ月与えなくても死にませんが成長はしません。
環境水中で生活をし息継ぎに浮上します。水質さえ維持できれば、高密度での飼育に対応できます。
増やし方ホルモン注射を行う。行わない場合、発情期にオスとメスがいれば増えていきます。
温度至適温度は23度前後です。温度の変化に強く室内で飼育していれば何もしなくても大丈夫です。
水換え餌を与えたら交換するようにしましょう。毎日交換できればベストです。
体長6~13cm
寿命10年~20年ほど生きます。

飼育の注意点

①高密度での生育が可能であるものの、高密度飼育では個体に個体が重なることで身動きが取れなくなり窒息死することや餌が十分にいきわたらないこと、高ストレスにより死んでしまう個体が出てくる可能性があります。
②基本的に丈夫な個体ではあるものの、水替え時はカルキを抜いてあげる必要がある。(水替え後にカエルが動き回る場合は、水中の塩素が多いか水温の急変に寄るもの。幼生や変態直後は水質の変化に弱く水深も3㎝程度にしないと呼吸に上がることができなくなることがあるようです。
③繁殖の際にオスとメスを見分けるには、成熟した個体ではメスのほうがオスよりも体調が大きくなり肛門背部に皮膚の突起ができるので見分けは付きやすいですね。
④水槽から脱出することもあるので、蓋などを取り付けておく必要があります。無いと干からびるので注意してください。
➄卵を保存する場合5℃以下(冷蔵庫)で保存することで発生を停止させることができます。
⑥アフリカツメガエルの体が一部欠損した場合、尻尾の一部以外は完全に再生することができず、死に至ることもあるため切断実験には向いていないのでやらないでください。

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